猫猫と小蘭と仲良くなった虫好きの下女・子翠(シスイ)。
子翠は何者で目的は何なのでしょうか。
翠苓に猫猫と共に誘拐された子翠の正体は、阿多妃の後に上級妃として入った楼蘭妃でした。
楼蘭妃の結末は死亡するのか?生きているのか?
子翠・楼蘭についてまとめました。
子翠(シスイ)は何者?|薬屋のひとりごと
猫猫と仲良くなった子翠は大の虫好きで楼蘭妃の侍女です。
子翠は楼蘭妃の侍女
楼蘭妃は阿多妃の後に後宮に入ってきた上級妃で、楼蘭妃の父親・子昌は先帝の母親・女帝に気に入られていた臣下です。
楼蘭妃は子昌のごり押しで後宮に入ってきました。
楼蘭妃は多くの侍女を引き連れて後宮に入ってきます。
子翠は楼蘭妃が後宮に入ったころから見かけるようになりました。
虫が大好き
「笑いながら虫を集めてる変な女がいる」
下女の間で噂になるくらい見境なく後宮内の北の雑木林で虫を採取しています。
虫の話は尽きず、虫の絵も精細に書けるほど虫が大好きです。
虫のオスメスを見分けたり、蝗の串焼きにバッタが入っていても違いがわかったりします。
猫猫は薬草、子翠は虫。
2人は似た者同士です。
子翠(シスイ)の正体は楼蘭(ロウラン)!|薬屋のひとりごと
楼蘭の侍女だと思っていた子翠は楼蘭本人でした。
楼蘭の両親
楼蘭の父親は『子昌(シショウ)』、母親は『神美(シェンメイ)』です。
楼蘭は5歳のころには紅を塗られ、10歳には白粉をはたかれ、綺麗に着飾られて大切に育てられました。
10歳のころ楼蘭は異母姉・翠苓の存在を知り、仲良くなりたいと思い下女の格好をし翠苓に会いに行きます。
その際通りかかった神美は下女の格好をした楼蘭に気づきませんでした。
神美にとって楼蘭は、綺麗で言うことを聞くお人形なのです。
自分の娘の顔も覚えていない神美は、下女の格好をした楼蘭もミスをすれば折檻しました。
楼蘭は神美にとってただの復讐の道具だったのです。
神美は先帝時代に後宮へ入っていました。
しかし、ロリコン趣味だった先帝は神美には手を触れず幼かった侍女に手を出しました。
プライドを傷つけられた神美は性格がゆがみ毒を持ちます。
神美は壬氏暗殺を企てたり、西方と手を組み銃を作ったりと国に戦を仕掛けようとしていました。
国への謀反は一族郎党皆殺しです。
楼蘭はこんな一族なら滅んだほうがいいと思っていました。
翠苓とは異母姉妹
翠苓の父親は『子昌』、母親は『先帝の娘』です。
子昌は神美と婚約していましたが、神美は後宮へ入ることになりました。
神美が後宮へいる間、子昌は先帝の娘を先に妻に娶り、翠苓が産まれます。
その後、神美が子昌の元へ返され、神美は先帝の娘と翠苓を追い出し、楼蘭が産まれます。
楼蘭が偽名で使っている『子翠』は元は翠苓の名前でした。
神美が一族の“子”の字が入っていることを嫌い、名前を奪いました。
神美は翠苓の事を嫌い虐待していますが、楼蘭は翠苓の事を慕い、神美がいないところでは仲の良い姉妹です。
楼蘭は慕っている翠苓を神美から解放したいと思っていました。
王母と同じ血筋
【「#薬屋のひとりごと」今月は2話掲載!】
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猫猫と壬氏の尋問によって堕胎剤を作ろうとしたことを自白した侍女頭、杏。騒動の結末は…?
そして今月は2話掲載!初代皇帝を選ぶ際に使われた廟の謎に猫猫が挑む! pic.twitter.com/C9N95cmghk— 月刊ビッグガンガン (@big_gangan) April 25, 2022
昔、長がいなかったこの国にやってきた女性は天の子を宿し、この子が茘の国の最初の皇帝になりました。
『月のない夜も見通せる目を持った』この女性は“王母”と呼ばれました。
王母の血を引くものは、赤と緑の区別がつかないなど様々な“色の識別ができません”。
色の識別が困難な分夜目が利くということから、『月のない夜も見通せる目を持った』という王母の言い伝えが伝わったようです。
そして、王母の目を引き継いだ子が代々皇帝となってきました。
この特性は西方の民に見られる特徴です。
楼蘭たちが暮らす隠れ里の先祖も西の国からやってきた民でした。
この地方には昔から民族が暮らしていました。
そこに西から別の国の民がやってきます。
西からやってきた民には“畑を豊かにする知識”、“害虫を駆除する知識”などの知識を持っており、彼らを追い出す村もありましたが、彼らの価値がわかる一部の村は彼らを受け入れました。
その後豊かになった畑を巡って争いが繰り返されます。
彼らは深い森の奥に里を作りひっそりと暮らしました。
この里は豊穣の神として狐を祀っています。
狐は知識をもたらした西の民でありこの村の先祖です。
都へやってきた王母たちと、隠れ里を作った白狐の民はどちらも西からやってきた同じ祖を持つ民です。
色の識別ができない目の特性は男性に現れる確率が多く女性はたまに現れます。
子翠は、隠れ里のお祭りで狐の面を色づけるとき、定番の赤ではなく緑色で塗っていました。
楼蘭は後宮を脱走|薬屋のひとりごと
楼蘭は多くの従者を引き連れて後宮へやってきました。
そして侍女は楼蘭とよく似た女性ばかり。
楼蘭の化粧や恰好は毎回奇抜で、帝でさえ通う度に「別人のようだ」と困惑しています。
これらはいつか侍女と入れ替わり気づかれないうちに後宮を抜け出すために計画されたものでした。
高官たちは娘に帝の子を産んで欲しいという思いから、自分の娘を後宮に入れようとします。
しかし、後宮は自分の娘を皇帝側に人質にとられるというデメリットもあります。
お互いが気づかうことで後宮は成り立っているのです。
しかし、楼蘭は「もう戻らない」と入れ替わった侍女たちに伝え脱走しました。
後宮からの脱走は死刑となるほど重い罪です。
楼蘭はそれを承知で脱走したのです。
子翠と鈴虫|薬屋のひとりごと
子翠は後宮で鈴虫を捕まえたり、怪談で鈴虫を元にした話をしたりしています。
子翠は籠に入った鈴虫を「後宮みたい」と言いました。
虫籠は後宮、オスとメスは帝と妃。
鈴虫は生殖を終え子を孕んだ後メスはオスを食べてしまいます。
権力を手に入れようとしている者にとって、娘が男児を産めば帝は邪魔になります。
楼蘭の母親・神美は国に恨みを持ち狂っていました。
神美は道具として楼蘭を産み、子昌を食い物にし権力をふるっていました。
楼蘭はそんな神美と鈴虫を比べ、「子に命を繋ぐためにやっている分、虫のほうがずっといい」と言いまいた。
上級妃は帝の子を産むことが役目です。
楼蘭にとっての母親像は神美。
楼蘭は母親になることを嫌っていました。
なぜ子翠は鬼灯を食べていたのか|薬屋のひとりごと
楼蘭は先に記載した通り母になることを嫌っていました。
子翠は子北州の祭りで鬼灯を食べました。
「あまり食べない方が良い」という猫猫の言葉も「知ってる」と鬼灯の毒をわかったうえで食べていました。
鬼灯は堕胎剤に使われます。
鬼灯の他にも白粉花、牡丹、芍薬などが堕胎剤として使われ、どれも後宮になっている植物です。
子翠は虫を捕まえに後宮の北側へ行っていましたが、虫を捕まえると同時に堕胎剤の材料も一緒にとっていたのかもしれません。
楼蘭の元には多くはなかったですが懐妊の噂が出るほどには帝の通いがありました。
楼蘭は子を孕まないため自ら堕胎剤を調合し飲んでいたのです。
また、キャラバンで買おうとしていたジャスミンも堕胎剤です。
後宮内を騒がせていた香油も楼蘭が自分で使うために根回ししキャラバンで売らせていたのです。
猫猫を誘拐した目的|薬屋のひとりごと
楼蘭と翠苓は後宮を抜け出し子北州へ帰る際、猫猫のことも連れ出しました。
楼蘭達が猫猫を誘拐した目的は“子供たちの蘇り”を助けるためです。
神美は国を恨み、戦を起こそうとしていました。
そんなことをすれば女子供関係なく一族郎党皆殺しにされることを楼蘭はわかっていました。
楼蘭は何もわからず処刑される子供たちを助けるため猫猫を連れてきたのです。
「この子たちが、虫であれば冬を越せたのに…」
楼蘭は一族の子供たちに“蘇りの薬”を飲ませました。
蘇りの薬については翠苓が詳しいのですが、決着をつけるため真実を知った翠苓は動揺し何もできないと思ったのです。
猫猫は楼蘭の想いを汲み、子供たちを無事蘇らせ、子供たちは監視付ではありますが阿多の屋敷に引き取られ、処刑されずに済んでいます。
楼蘭は死亡する?|薬屋のひとりごと
薬屋のひとりごとは、Web版、書籍、コミック2種と複数の作品があります。
私は初めWeb版を読み、この作品では楼蘭は死亡します。
楼蘭は壬氏に全てを話し悪役を演じ、壬氏の護衛をしていた馬閃に切られ最期を迎えました。
楼蘭は生きている?|薬屋のひとりごと
Web版の楼蘭は壬氏の目の前で死亡しますが、書籍版では結末は違います。
「逃げればいいのに」と楼蘭を止めようとする猫猫に楼蘭は「私の役目があるの。意地だよ、私の」と戦場へ向かいます。
そんな楼蘭に猫猫は願掛けとして「いつか返して」と壬氏にもらった簪を渡します。
「売り払っちゃうよ」という楼蘭に、猫猫は「それでもいいよ。持ち主(壬氏)は粘着質だから巡り巡って返ってくるかもしれないし」と言い楼蘭と別れました。
楼蘭は壬氏率いる軍に追い込まれ銃で胸を打たれ崖から飛び降りました。
そして、死体は見つからず楼蘭は行方不明です。
楼蘭は“玉藻(たまも)”と名前を変え海を渡って生きているようです。
猫猫からの簪は海を渡る際、食料と交換しました。
巡り巡って猫猫の元へ戻り無事が伝わればうれしいですね。
薬屋のひとりごとの作者・日向夏のブログ「うりにっき」に“薬屋のひとりごと人物紹介”が書かれたページがあります。
そこで、“子翠→楼蘭→玉藻”と矢印で紹介されています。
玉藻の紹介文は「名前の意味が分からないなググるといいかも。」と記されていました。
玉藻という名前の由来は、“玉藻前(たまものまえ)”からと思われます。
玉藻前は美貌と博識から上皇に寵愛された九尾の狐です。
玉藻前をそばに置いてから上皇は体調を崩し、陰陽師に悪事を暴かれ玉藻前は行方をくらましました。
この九尾の狐は中国の殷の王を惑わせ国を滅ぼした九尾の狐・妲己(だっき)とされています。
国一の美女と言われ国を恨み滅ぼそうとした神美と妲己は共通しているように思います。
そして海を渡った妲己から楼蘭に“玉藻”とつけたのが由来と考えられます。
これからの人生は幸せに暮らしてほしいですね。
正体、目的、その後のまとめ
《子翠の正体》
・楼蘭妃
・翠苓とは異母姉妹
・“子翠”という偽名は翠苓の元も名前
《楼蘭の目的》
・子の一族を滅ぼすこと
・子の一族から翠苓を解放すること
・子供たちを死なせないこと
《楼蘭のその後》
・Web版は死亡
・書籍版は玉藻と名前を変え生きている
最後に
子翠・楼蘭についてまとめました。
人気キャラ“子翠”。
狂った母親を見て育ったのに、とてもやさしい子です。
涙なしには読めない最後でした。
「楼蘭死んじゃうんだ…」と悲しかったですが、書籍では生きていると知りとてもうれしかったです!
猫猫と再会してほしい…。
ありがとうございました。
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