ファントムハイヴ家は代々“女王の番犬”として、英国裏社会の汚れ仕事を請け負っています。
女王の憂いを晴らすため、シエル・ファントムハイヴは執事のセバスチャン・ミカエリスと共に様々な事件の解決に挑んできました。
今回は『緑の魔女編』をまとめました。
呪いの正体とは?
緑の魔女の務めとは?
サリヴァンはどうなるのか?
※ネタバレ注意
緑の魔女編は漫画何巻?
緑の魔女編は18巻終わり~22巻までです。
女王からの依頼
女王からシエルに手紙が届きました。
ドイツ南部で不審な死が相次いでいます。
なんでも健康だった者がある日突然異形の姿へ変わりそのまま絶命するとか。
ドイツは今は亡き夫と母の故郷。
私の家族が数多くいます。
疫病であるならすぐに医療支援をしたいのですが、皇帝からもドイツ政府からもはっきりした返答を得られません。
とても心配です。
女王の依頼はドイツで起こった不可解な死亡事件の調査。
シエルはドイツ語が喋れないので勉強しながら、使用人一同と共にドイツへ向かいました。
不審死の原因は魔女の呪い|黒執事
不審死が相次いでいる村では伝染病が流行しているわけでも、持病、ケガが原因なわけでもないようです。
村人は皆「魔女の呪い」だと口を揃えました。
人狼の森
ドイツ南部は激しい魔女狩りがあった地域です。
生き残った魔女たちはとある森に逃げ住み始め、身を守るために森の使い魔として人狼を放ちました。
以来、「人狼の森」と呼ばれ、足を踏み入れたものは魔女に呪われると言われています。
狼の谷
人狼の守る魔女の村“狼の谷(ヴォルフス・シュルト)”。
村人は執事を除いて全てが女性です。
そして何百年も前のものと思われるデザインの服を着ており、魔女狩りから逃れ外の世界との接点を断った村ということがわかります。
人狼の瘴気
森の瘴気は人狼が放出する“悪しき魔力”。
瘴気に触れると呪いにかかり、顏が倍に腫れ肌がドロドロに溶け魔物のような異形になり、人の心を弱らせ、恐怖を増長させ錯乱状態に陥らせ死に至らしめる。
呪いを浄化できるのは、緑の魔女の作った秘薬だけです。
緑の魔女
魔女裁判から逃げてきた魔女の中で「緑の魔女」と呼ばれる魔女が、仲間を守るため自分の足を供物に人狼と契約を交わしました。
以降代々の領主緑の魔女は足を潰し歩けないように纏足(てんそく)にする決まりとなっています。
人狼と緑の魔女が契約を交わしたのは何百年も前であり、緑の魔女の血が薄れていることが原因で村人も襲われ、現在の狼の谷は狼に“守られている”というより“囚われている”状態に近いです。
緑の魔女の務めとは?ネタバレ|黒執事
人狼の守る魔女の村“狼の谷”の領主、若き現「緑の魔女」“ジークリンデ・サリヴァン”(11歳)。
緑の魔女の務めは“魔法陣を完成させること”。
森を守る人狼は人間にとっての酸素に等しい瘴気を必要としています。
この瘴気は人間には有害で、人間の繁栄によってかつて大気中にたくさんあった瘴気は失われていき、人狼は「森を守る代わりに瘴気を生み出せ」と要求しました。
村を守るため歴代の緑の魔女は人狼の要求に従い瘴気を生み出す魔法陣を完成させるという務めを担ってきました。
現在森に充満している瘴気は歴代の魔女たちが完成させてきた残滓です。
サリヴァンは人間が少しでも触れれば即死に至る過去に類をみない高濃度な瘴気を生み出す魔法陣を完成させました。
人狼の森は作り話だった!呪いの正体は?ネタバレ|黒執事
サリヴァンは生まれたときから村を出たことがなく、外の世界を見てみたいとずっと願っていました。
シエルたちは真実にたどり着き、サリヴァンに「外の世界を見てみたくないか」と連れ出します。
シエルたちが向かった先は外ではなく緑の館の地下。
サリヴァンが見たものは何かを製造している工場。
そして、ババ様を中心に人狼の形をしたガスマスクを身に付けたただの人間の男でした。
森の瘴気・呪いの正体は、代々緑の魔女が作り上げた魔法の残滓ではなく、軍が開発した毒ガス“マスタードガス”だったのです。
ババ様はサリヴァンの母親
サリヴァンの母親は、毒ガス“マスタードガス”の兵器運用化を目的とした軍事計画に参加していました。
危険性の高さから量産は不可能と言われていましたが、1人の天才科学者により安全な合成法が編み出され計画は成功。
サリヴァンの母親とこの科学者は恋仲でした。
しかし、毒ガス工場で事故が起こり、サリヴァンの母親は変わり果てた姿となり、彼は帰らぬ人となりました。
天才の頭脳は消え悲しみに暮れている時、妊娠していることに気づきます。
生まれた子供サリヴァンは3歳で文字を理解し、毒ガス“マスタードガス”の合成法を理解しました。
“天才”の育成計画
サリヴァンの母親は、サリヴァンに愛する天才の彼の頭脳を感じました。
そして、政府に掛け合い究極の兵器開発を目的とした“天才”の育成計画を発足させたのです。
計画の必須条件は『研究に没頭できる環境』と『モチベーションの維持』。
倫理・一般常識・娯楽・快楽などをから隔離するための村。
本人が望むべくしてこの環境に身を置けるような“緑の魔女”という存在と“人狼”から民を守護するという使命。
サリヴァンは計画の通り研究に没頭し、10年たたずして史上最高の毒ガスを作り上げました。
史上最高の毒ガス“サリン”
サリヴァンの作り出した歴史的化学兵器。
サリヴァン(Sullivan)
最終兵器(Letzt Waffe)
完璧な(Ideal)
霧(Nebel)
頭文字をとって“サリン(SuLIN)”と名付けられました。
村人の正体は軍人
上記で上げたように狼の谷は軍によってつくられた村です。
村人たちはサリヴァンを監視するため、予期せぬことが起こった場合対処するために集められた軍人でした。
ヴォルフラムは軍の中でも戦闘能力が高いがゆえにサリヴァンの執事に抜擢されたのです。
サリヴァン脱出|黒執事
サリヴァンは毒ガスを作らされていたという事実を受け止められず「消えてしまいたい」と泣きました。
シエルは「生か死か」サリヴァンに銃口を向け問いました。
「天才的な頭脳も使う気がないなら雑草の肥やしにしたほうがマシだ。死んでしまえば、お前が救えたかもしれない者の断末魔も聞かずに済む」
サリヴァンは、世界が驚くような魔法のような治療薬を作る決意を胸に森から生きて脱出し挑むことを決めました。
サリンの生成法は全て抹消
サリヴァンはシエルと共に脱走し、サリヴァンの母親は残った者達と共にサリンの生成法と試作品をまとめ村から出ようとします。
シエルはセバスチャンにサリンの生成法を全て抹消するよう命令していました。
セバスチャンは建物にいる者を消し、サリンの生成法を燃やし、試作品を回収しました。
ファントムハイヴ家使用人vs軍
サリンの生成法を知るサリヴァンが他の国へ奪われることを恐れた軍はサリヴァンを抹殺することに。
しかし、サリンの生成法を燃やされたことで、サリヴァンの抹殺ではなく確保を第一目標としました。
サリヴァンをめぐるファントムハイヴ家使用人と軍との戦いが始まりました。
ディーデリヒ登場
ディーデリヒはドイツ出身でシエルの父・ヴィンセントがウエストン校時代に療弟にした人物です。
シエルはドイツでの出来事ということでディーデリヒに連絡していました。
独自に動いていたディーデリヒは軍が毒ガスとは別に森で“戦車”を作っている事実を突き止めます。
過去にヴィンセントから「私にもしものことがあればこの子の事を頼む」というお願いもあり、シエルたちの脱出の手助けにやってきました。
狼の森建設時に使われた軍事鉄道があることを調べており、車両を奪って森から脱出するため軍事鉄道を目指します。
サリヴァンに向けて大砲発射
戦車で追いかけてきた軍はサリヴァンの確保を第一目標としているにもかかわらず、サリヴァン(身代わりになっているシエル)に向けて大砲を発射しました。
軍はサリンの生成法より、情報流出阻止としてサリヴァンの抹殺をとったのです。
シエルは合流したセバスチャンと共に戦車の足止めをするため残り、残りのメンバーは軍事鉄道を目指して走りました。
セバスチャンの攻撃でもビクともしない戦車でしたが上からの攻撃には弱く、鉄をはがし爆弾を投げ入れたことで戦車の中は火の海となりました。
鉄道で脱出!ヴォルフラムは?
軍事鉄道に無事到着。
軍はまだこの施設を使っていたため車両を奪い発車の準備を整えるとすぐ出発することが出来ました。
サリヴァンを追ってきたヴォルフラムは銃口を向け撃ちました。
撃った相手はサリヴァンではなく、サリヴァンを狙っていた同僚を裏切りサリヴァンを助けるために撃ったのです。
ヴォルフラムは物心ついた時には軍で国を守るための戦いの訓練を受けており、灰色の世界で生きてきました。
戦闘能力を買われ、緑の魔女の監視と護衛、有事の際の処分を命じられます。
サリヴァンと暮らす中でヴォルフラムは、鮮やかな色があること、守るために戦いたいという感情を知りました。
ヴォルフラムは軍が戦車の大砲をサリヴァンの身代わりになっているシエルとは知らない状態で発射したことで、軍を裏切りサリヴァンを守ることを決めたのです。
軍を裏切ったことで打たれたヴォルフラムでしたが、シエルの命令でセバスチャンによって車両に保護。
サリヴァンによって止血の処理をされ一命をとりとめることが出来ました。
ディーデリヒの隠れ家へ
ドイツの軍から逃げていることから、ディーデリヒの隠れ家へ避難することに。
ヴォルフラムはケガを医者に診てもらい、動けるようになるまで滞在することになりました。
サリヴァンはヴォルフラムに言いました。
「言いつけを破り外の世界を見たいという欲に負け村人たちを裏切った。でも、お前はボクを守ってくれた。だから痛み分けだな。これからもずっと一緒にいよう。一緒に外の世界をみよう。ヴォルフラム」
ヴォルフラムはサリヴァンの執事を続けられることに喜びを感じ泣いてサリヴァンを抱きしめました。
女王とのお茶会|黒執事
シエルが狼の谷に滞在中、女王から1通の手紙を受け取りました。
仕方がないので髪は諦め、屋敷に戻ってからのセバスチャンはサリヴァンに淑女のマナーを叩き込み、ヴォルフラムには意見があるなら英語での意見を求めました。
めげそうになっていたサリヴァンでしたがエリザベスの助けもあり、1週間で何とか女王のお茶会に参加できるほどになりました。
人狼の森の呪いの報告
シエルはお茶会の席で女王に報告しました。
呪いの正体は毒ガス「マスタードガス」であること。
マスタードガスを実践投入段階まで可能にしたのが「サリヴァン」であること。
シエルは女王に真実を伝えませんでした。
マスタードガスより強力な「サリン」は誰のことも幸せにしないことから女王に報告せず、サリヴァンにも墓場まで持っていくよう伝え、サリヴァンも了承。
持ち帰ったサリンの試作品はセバスチャンによって深海へと沈められました。
サリヴァンの頭脳は人を救うために
サリヴァンが森を出た理由は「人々を救う世界が驚くような魔法のような治療薬の開発に挑みたい」から。
「サリヴァンは新しい知識を求める事を止めることは出来ない」とシエルは言いました。
新しいものを生み出すには莫大なお金が必要です。
サリヴァンがマスタードガスを実践投入段階まで可能にした頭脳を持っているとわかると利用しようとする者は必ず現れます。
シエルはお茶会前にサリヴァンに言いました。
「これから先、全員がお前を利用しようとする敵だと思え。そしてお前は、その敵全員をお前の望む未来のために利用するつもりでいろ」
シエルはお茶会で女王に「幼いながらも領民のために努力を惜しまなかった彼女の頭脳を人を救うために役立てれば、素晴らしい成果を約束してくれるでしょう」と伝えました。
女王もサリヴァンの無限の可能性に期待を示しました。
サリヴァンは女王に誓います。
「私と執事を迎え入れてくれた英国、いや、世界の人々のため必ずお役に立ってみせます。」
以後、女王はサリヴァンの研究に必要な物を揃え、たまに女王自らお茶をしにサリヴァンの元へ出向いています。
黒執事“緑の魔女編”ネタバレまとめ
呪いの正体は毒ガス「マスタードガス」。
狼の谷は究極の兵器開発を目的とした“天才”の育成計画のために作られた村だった。
サリヴァンは軍の計画通り史上最高の毒ガス「サリン」を作り上げた。
人を殺す研究をしていたという事実に押しつぶされそうだったサリヴァンでしたが、人を生かすための治療薬を作るため生きる選択をし、森からの脱出を決めた。
軍は情報流出阻止のため戦車を用いサリヴァンを殺そうとした。
シエルたちはディーデリヒの助けもあり、サリヴァン、ヴォルフラムと共に森から脱出することに成功した。
サリヴァンは女王のお茶会に招待され、今後研究のための投資をしてもらう事となった。
サリンはこの先誰も幸せにしないとして女王に報告せず、サリヴァンも生成法を墓場まで持っていくこととし、試作品も海の底に沈めなかったことにした。
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