『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』（るろうにけんしん-めいじけんかくろまんたん-）は、和月伸宏による作品です。
1994年～1999年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、アニメ化、実写映画化されている大人気作品です。
この作品の主人公は『緋村剣心』。
幕末に人斬り抜刀斎と恐れられた伝説の人斬りです。
そんな人斬りと恐れられた剣心が人を斬ることが出来ない『逆刃刀』を所持している理由は何なのでしょうか？
剣心が剣士になった理由【るろうに剣心】
（©和月伸宏／集英社・「るろうに剣心 －明治剣客浪漫譚－」製作委員会）
心太(しんた)は幼いころ村を野盗に襲われた。
ちょうど通り合わせた比古清十郎によって野盗は倒されたが、生き残りは心太１人だった。
清十郎は心太にふもとの村へ行くよう伝えその場を去ったが、後日ふもとの村を訪れるも誰も来てないと聞き、その場で自害してしまったのだろうと考え骸を葬るため村に戻った。
そこで清十郎が目にしたのは、たくさんの木でできた十字の墓に囲まれ、３つの石の前に佇む心太の姿だった。
「野盗だろうと人買いだろうと死ねばただの骸だから…」と心太はみんなの墓を作った。
心太は親を病気で亡くし、人買いに買われこの村に来ており、他の売られてきた３人の女の子たちを命を捨ててでも守らなきゃと思ったが殺されてしまった。
守ることが出来なかった女の子たちのために、せめて墓だけでもといい石と花を添えようとしたが、花は一輪も咲いていなかった。
清十郎は「美味い酒の味も知らんで成仏するのは不幸だから」と手向けに持っていた酒を墓石にかけた。
そして心太の名前を聞き、「優しすぎて剣客にはそぐわない。今日から“剣心”と名乗れ。お前にはとっておき(飛天御剣流)をくれてやる」と言い、剣心は清十郎に引き取られた。
12巻 第94～95幕…清十郎と剣心の出会い
剣心が人斬りになった理由【るろうに剣心】
剣心は清十郎に飛天御剣流の修行を受けていた。
剣心が14歳のころ、「幕末の動乱で苦しみ悲しみ死んでいる多くの人を助けたい」と清十郎に伝えた。
しかし、「飛天御剣流はその強さ故、加担したほうに間違いなく勝利をもたらす“陸の黒船”だ」と剣心の意見を聞き入れなかった。
剣心と清十郎は丸１日口論とどつき合いの結果、剣心は修行の途中だったが清十郎の元を飛び出し喧嘩別れした。
その後剣心は、長州派維新志士筆頭の桂小五郎の元で、時代を壊す存在として人斬りとなった。
10巻 第84幕…清十郎との喧嘩別れ
19巻 第166幕…抜刀斎誕生
剣心が逆刃刀を所持している理由【るろうに剣心】
人斬りとして新時代のため剣を振るい続けた剣心だったが、斬っても斬っても時代が変わらないことに気持ちが沈んでいた。
そんな時、雪代巴に出会った。
巴と共に生活する中で、“飛天御剣流で人の幸せの全てを担うことはできない。できるのはこの目に映る人々の幸せを１つ１つ守ること”だと気づいた。
そして、「新時代を迎えられた際、この手にかけた人たちの幸せを奪った罪を背負い償う道を探しながら、人を斬ることなく人を守れる道を探そうと思う」と巴に語った。
その後、剣心は「一度は失った巴の幸せを今度こそ守り抜いてみせる」と巴と共にこれからを生きる約束をしたが、剣心の斬撃により巴はこの世を去った。
剣心は巴を失った悲しみを背負い、巴が教えてくれた人々が営む小さな幸せをより多く灯せる新時代を築くまで刀を振るい続けた。
幕府が敗れ新時代の幕が上がり、剣心は刀も持たず人を斬ることなく新時代に生きる人たちを守れる道を探そうと旅に出ようとしていた。
その時、刀匠・新井赤空は“甘い戯言”だと、選別として剣心に逆刃刀を渡した。
剣心の言葉を甘い戯言だという赤空も平和な時代を願っていた。
19～20巻 第164～180幕…剣心と巴の過去
10巻 第81幕…赤空からの逆刃刀
感想
剣心が逆刃刀を使っている理由についてまとめました。
親を病気で亡くし、人買いに買われ、野盗に襲われ、比古清十郎に引き取られ、人々の幸せのために人斬りになり、妻の巴を死なせてしまい、それでも新時代のため刀を振るい、その後は殺さずの誓いを立て逆刃刀を振るう剣心。
壮絶な人生です…。
決して好きで人を斬っていたわけではなく、幸せを信じて人を斬っていた剣心。
斬られた人、その家族たちの苦しみを忘れないためにも赤空は逆刃刀を渡し、剣心もそれを受け入れた。
逆刃刀には“新時代を生きる人々の幸せ”を願う剣心の想いが込められていたんですね。
廃刀令はガッツリ無視して警察から逃げてますが…ｗ
剣心自身は人斬りに苦しみ、巴との過去に苦しみ、それでも人々の幸せを願える剣心はとてもやさしいと思いました。
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