ファントムハイヴ家は代々“女王の番犬”として、英国裏社会の汚れ仕事を請け負っています。
女王の憂いを晴らすため、シエル・ファントムハイヴは執事のセバスチャン・ミカエリスと共に様々な事件の解決に挑んできました。
逆さ吊り事件編
ノアの方舟サーカス編
豪華客船編
寄宿学校編
青の教団編
今回は『寄宿学校編』をまとめました。
女王の血族デリック・アーデンが学園から帰ってこない。
果たして、生きてるのか、死んでるのか…。
学園の絶対君主校長の正体とは?
※ネタバレ注意
◆シエルの過去についてのネタバレ記事はこちら◆
寄宿学校編は漫画何巻?
寄宿学校編は14巻終わり~18巻はじめまでです。
女王からの依頼
女王からシエルに手紙が届きました。
カンパニア号の件は災難でしたね。
もう具合は良くなって、イースターを楽しんでいるかしら?
私はと言えばせっかくのイースター、休暇のはずなのに心配事があって心から楽しめていません。
その心配事とは私のいとこのクレメンス公爵の息子デリックのことです。
デリックはウエストン校の5年生。
だけど、何故か去年の夏休みから帰省していないそうなの。
毎日手紙をくれる子だったのにそれもぱったり…。
心配した夫人が寮を尋ねても帰ろうとしないとか。
一人息子がそんな様子でクレメンス公爵も元気をなくすばかり…。
とても心配です。
一日も早く私の大切な人達が皆心穏やかにイースターを楽しめることを願って…。
――ヴィクトリア
女王の依頼は血縁関係にあたるデリック・アーデンを含む数名の生徒が学園に閉じこもり外部との接触を断っている原因の究明。
シエルはウエストン校に潜入し調査することになりました。
ウエストン校とは
伝統と規律に守られた格式高い英国屈指の名門寄宿学校。
生徒たちは“伝統を重んじる厳しい戒律に縛られた男子のみの寮生活”と“独自のカリキュラムによる高度な教育”により真の英国紳士に育つとされています。
政府の介入すら許されない閉鎖空間。
絶対権力者の校長
多忙ゆえ姿を現すことはありません。
校長に会えるのはP4のみ。
校長の決定は絶対!
監督生(プリーフェクト)
ウエストン校には4つの寮が存在し、配属寮は身分、個性によって決められます。
深紅の狐寮(スカーレット・フォックス寮)
特別高貴な身分の生徒が集まる
通称:赤寮(レッドハウス)
監督生:エドガー・レドモンド
紺碧の梟寮(サファイア・オウル寮)
勉学に長けた生徒が集まる
通称:青寮(ブルーハウス)
監督生:ロレンス・ブルーアー
翡翠の獅子寮(グリーン・ライオン寮)
武道やスポーツに長けた生徒が集まる
通称:緑寮(グリーンハウス)
監督生:ハーマン・グリーンヒル
紫黒の狼寮(ヴァイオレット・ウルフ寮)
一芸に秀でた生徒が集まる
通称:紫寮(パープルハウス)
監督生:グレゴリー・バイオレット
監督生はいわゆる寮長のことで4人合わしてP4と呼ばれています。
また、多忙の校長の代わりに学園の自治を任されています。
寮弟(ファッグ)
ウエストン校特有の伝統。
下級生が先輩1人の世話をし、先輩は下級生の面倒を見る校内限定の兄弟関係のようなもの。
寮弟は先輩生徒から申し込まれます。
監督生の寮弟は特別で、P4しか会えない校長主催の“真夜中のお茶会”に参加できます。
情報収集のためP4に取り入る
この学園では爵位も金も通用しないため、一般生徒でいる限り情報収集は困難です。
調査対象のデリックにも校長にも簡単に会えません。
そのためシエルはP4に取り入ることにしました。
P4の寮弟の寮弟になる
シエルはP4に近づくため、まずは青寮監督生ブルーアーの寮弟クレイトンの寮弟になることにしました。
シエルはクレイトンの雑用を請け負い、セバスチャンに全て押し付け、クレイトンに気に入られることに成功しました。
モーリス・コールの妨害
モーリス・コールは赤寮監督生レドモンドの寮弟で、学園一の美少年です。
しかし、コールは寮弟の仕事を他の生徒に依頼し、手柄を横取りしていました。
この学園で監督生になれるかどうかで今後の人生が変わるため、監督生に媚びていたのです。
P4と寮弟はよく白鳥宮でお茶会を開いています。
有能だと噂のシエルをお茶会に招待することになりましたが、コールはわざと間違った招待時間を知らせ、遅刻したシエルは監督生からの信頼を失ってしまいました。
コールの被害にあった人物はシエルの他にも4人おり4人の証言と、赤寮に入寮させたソーマにコールの動きを探らせたことで悪事の証拠をつかむことが出来ました。
シエルはコールの悪事を暴いたことで疑いは晴れ、“伝統”に従い、“嘘”がなく、“純粋で高潔”だと監督生たちに認められます。
そしてシエルは、青寮監督生の寮弟の寮弟になることに成功しました。
口を閉ざすP4
P4組に潜入することに成功したシエルはデリックについてP4に問います。
すると急に空気が変わり、「デリックは優秀だった」「変わっていた」「寮を異動したのは校長が決めたこと」「校長の決定は絶対‼」だとデリックの情報は得られませんでした。
しかし、P4は確実に何かを隠そうとしており、これ以上は怪しまれるため深追いすることは出来ませんでした。
絶対君主の校長に接触
P4はデリックのことについて固く口を閉ざしており、P4から情報を得ることは出来ません。
残す手だては校長に接触すること。
デリックが寮を異動した理由を他の生徒から聞き出そうとしますが、全員が「校長が決めたことだから」と校長の決定に疑問を持っていません。
多忙な校長に普段会えるのはP4のみで、校長に会える“真夜中のお茶会”でさえP4とその寮弟のみ。
そんな校長ですが、クリケット大会は必ず見学に来ることがわかりました。
さらに毎年校長がその年に一番『紳士にふさわしいプレイ』をしたと思った生徒を“真夜中のお茶会”に招待するという。
シエルは点を獲り万年最下位の青寮を優勝させ、さらにお涙頂戴することで“真夜中のお茶会”に参加する権利を得ようと考えました。
クリケット大会
100年の歴史があるウエストン校の伝統ある大会。
シエルはコールの不正を暴いた頭脳と度胸があるとミカエリス先生(セバスチャン)の推薦により、クリケット大会の選手に選ばれました。
シエルは正々堂々ではなく、下剤入りミートパイ、お色気作戦、音楽作戦、ボールへの細工などを利用し力ずくで勝利を手に入れました。
“真夜中のお茶会”に招待
シエルはクリケット大会で青寮を優勝させ、お涙頂戴を装ったことで校長から“真夜中のお茶会”へ招待されることに成功しました。
デリックは生きている?死んでいる?ネタバレ|黒執事寄宿学校編
シエルは“真夜中のお茶会”に参加し、校長にデリックのことについて尋ねました。
するとその場にデリックが姿を現しましたが、カンパニア号にいたやつらと同じく動く死体と化していました。
デリックの表の顔
デリックは赤寮監督生レドモンドの寮弟でした。
地元クリケットのキャプテン、職人のような刺繍の腕前、レポートも常に高評価、詩のセンスも天才的。
血統、性格、才能とデリックは光輝いていました。
しかし、この輝かしい実績はいじめにより他人から奪ったものでした。
デリックの裏の顔
デリックは名門公爵家の跡取りで、代々ウエストン校で監督生になるよう親から言われていました。
そのため監督生に媚び、来たくもなかった学園に無理矢理入れられたストレス発散にいじめを行っていたのです。
更に、副校長とも癒着しいじめを隠蔽してもらっていました。
伝統と規律のために殺された
グリーンヒルたちP4はウエストン校の伝統と規律、そして監督生に誇りを持っていました。
そのため伝統と規律を乱すデリックや副校長の事を許せませんでした。
「来年は俺が監督生かぁ」
デリックが監督生になるなんてことがあってはならない。
「伝統あるウエストン校のために」
ウエストン校は英国の中枢を担うエリートを輩出してきた名門。
創立以来守られてきた伝統を自分たちの代で穢すわけにはいかない。
学園の伝統を6年間信じ守ってきた4人にとって人命より、伝統を守ることの方が大切でした。
4人は学園を守るためデリックたちを殺しました。
そして、事件を隠蔽するためレドモンドの叔父ドルイット子爵のつてで、アンダーテイカーと契約したのです。
校長の正体は?|黒執事寄宿学校編
校長の正体はアンダーテイカーでした。
正確には本当の校長はP4に学園の自治を任せ、世界一周旅行に行っており来年秋まで帰ってきません。
事件を隠蔽しようとするP4たちと契約し、動く死体の実験をしていたのです。
アンダーテイカーの正体はこちらから↓
アンダーテイカーの目的は?
アンダーテイカーの目的は、『定められた終わりの先を見る』ことです。
「エンドロールの先にもっともっと面白い展開が待っているかもしれない」
人間が歩いてきた過去を回想するものが走馬灯。
未来を渇望するエピソードを繋げたものは未来の記憶。
走馬灯に未来の記憶を繋げることで限りなく人間に近い動く死体が完成するのです。
しかし、エピソードの量と質に左右されることから未だ成功率は高くありません。
副校長が普通に学園で生活していたのは素材が充実しており、現在の最高傑作だったからです。
アンダーテイカーはシエルに見つかったことから学園を去りました。
P4はその後どうなった?
P4の処分は牢獄送りではなく放校処分という軽いものでした。
しかしこれは温情ではなく、女王の血縁者本人のトラブルが招いた死亡というスキャンダルを隠蔽する為です。
デリックたちの死はボート遊び中の死亡事故とされ、秘密裏に埋葬されました。
人命より学園の伝統を選んだ4人にとって放校処分は辛いものになりました。
黒執事“寄宿学校編”ネタバレまとめ
デリックはP4の寮弟だった。
将来監督生になるために現監督生に媚びを売り、ストレス発散のためいじめを行っていた。
伝統を穢すデリックと仲間たち、そしていじめを隠蔽する副校長をP4は許せず殺害。
事件を隠蔽するためレドモンドの叔父ドルイッド子爵の伝手でアウローラ学会と繋がっているアンダーテイカーと契約。
アンダーテイカーは校長に成りすまし、動く死体の実験を行っていた。
事件が発覚し、P4は放校処分、デリックの死は事故死処理、アンダーテイカーは逃亡し幕を閉じた。
◆シエルの過去についてのネタバレ記事はこちら◆
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