五条の夢は雛人形の頭師になること。
まりんのコスプレ衣装を作ることは五条に言い経験をくれます。
五条はハニエルに惹かれるものを感じ、「挑戦したい!」と自分のために衣装を作りました。
ハニエル衣装に挑んだ結果はどうだったのかまとめました。
※その着せ替え人形は恋をする(着せ恋)ネタバレ注意
五条の夢は雛人形の頭師|着せ恋
五条のじいちゃんは雛人形の顔を描く頭師(かしらし)です。
五条はじいちゃんの工房で初めて雛人形を見た時雛人形に一目ぼれし、「じいちゃんみたいになりたい」という夢が出来ました。
最近の雛人形はつけまつげをつけていたり、口紅、頬紅、髪の色も様々なものが存在します。
たくさんある雛人形の中から買ってくれる人が「これが欲しい」と言ってもらえるような一目惚れさせる雛人形を作ることが五条の夢です。
雛人形だけを見ていてはダメ|着せ恋
面相描きの練習は1日最低3時間必要です。
1日でもサボると感覚を戻すのに3日かかるとじいちゃんは旅行にも療養中でも筆を持っていくほど繊細な職業です。
五条はコスプレ衣装を作るようになって、雛人形の面相描きをする時間が取れていませんでした。
あまり練習が出来ておらず下手になってるだろうと思いながら面相描きをじいちゃんに見てもらいます。
「前より良くなったなぁ」
じいちゃんは笑って答えました。
強張っていた線が柔らかくなっており、まりんのコスプレ衣装づくり、メイクをしたことが五条にとっていい経験になったようです。
「将来良い人形作りたいんなら、人形だけ見てちゃダメだぞ。色んなことやって色んなもん見とけよ。いつか必ず身になるからな」
五条は子どもの頃から雛人形を見たり、面相描きの練習ばかりして他には目のくれませんでした。
まりんに連れられ初めて海に入ったときにはテレビや写真とは全然違うことに感動し、じいちゃんの言ったことを実感した五条。
その後まりんと一緒に様々な場所に行っていろいろな経験をしようと約束をしました。
コスプレは新しい世界を見せてくれる|着せ恋
五条はコスプレ衣装を作ることでたくさんの事を知りました。
いろいろなデザインの服があること。
いろいろな種類の生地があること。
自分なりの解釈で衣装は作っていいこと。
立ち振る舞いひとつで印象が変わること。
小道具も自分で作れること。
和から洋、洋から和とその世界だけにとらわれない思想を持つこと。
人の心を惹きつけるものを作る人は様々な経験を形にしていました。
五条の好きなつけまつげの付いている雛人形を作ったデザイナーは「日本人形の世界だけに囚われない」をモットーに現代工芸やアートの思想からインスピレーションを生み出しています。
逆に市松人形から影響を受けたビスク・ドールという西洋の人形があることも知りました。
“自分には何もない”という壁にぶつかる|着せ恋
ハニエルの衣装を作る際、なかなか理想の生地が見つからないことに悩む五条。
理想に現実がついてこないのは自分に経験がなく引き出せるものが何もないから。
ミヤコやアキラに相談した際、何も調べずアドバイスできるのはこれまでの経験があり、いろいろなものを見てきた知識があるから。
斬新なアイデアの雛人形も、天命13巻も、これまでの積み重ねがあるから人を引き付ける作品として評価されている。
「将来良い人形作りたいんなら、人形だけ見てちゃダメだぞ。色んなことやって色んなもん見とけよ。いつか必ず身になるからな」
五条はじいちゃんに言われた言葉の意味を理解しました。
困った時、つまずいた時に助けてくれるのは自分の経験だけ。
何もしてこなかった自分は物を作れる人間じゃなかっただけだと落ち込みました。
頭を切り替えようとふと、雛人形を眺めていた時あるものが頭に浮かびました。
自分にはないもないけど、悔やんでも後悔しても仕方がない!
自分の情けなさを認めて今できることで、夢のために足掻きました。
そして、求めていた生地として『アンティーク着物』にたどり着くことが出来たのです。
ハニエル衣装は五条の挑戦|着せ恋
五条は雛人形に一目ぼれした日からそんな雛人形を作りたいと夢見てきました。
はじめてハニエルの画像を見た時、雛人形を見たときの感動とは違い「作った物で人の心を動かすとはこういう事だ」と圧倒的な力を見せつけられたと感じました。
今までのコスプレ衣装はまりんに頼まれ作っていましたが、ハニエルは五条自ら「作りたい!」と思い自分のためにハニエル衣装に挑みました。
ハニエルは「人の形をした人ではないもの」なのでメイクは人形に目を付けた五条。
舞台が中世ということもあり、海外の人形ビスク・ドールを参考にしました。
求めていたハニエルの悪魔への愛の証でもある黒い羽織の生地として「アンティーク着物」をフリマアプリで購入し、出品者の厚意でバッグや草履、白い帯も送ってくれました。
五条はキャラの世界観を忠実に再現するように衣装を作るので、世界観に合っていないことは絶対しません。
しかし、上品な光沢があり黒によく映える白い帯を見た時、ハニエルのコルセットをこの帯で作りたいと直感で動きました。
ハニエルの衣装は完成しましたが、このままでは五条が求めているハニエルは表現することは出来ません。
五条の表現したいハニエルはまりんの表現によって完成しました。
冬コミではまりんのハニエルは大きい囲みを作り、SNSでも大きな反響を呼びました。
ハニエル作者の司波刻央は前作の漫画のアニメ化を大ヒットしたにもかかわらず許可したことを後悔しており、天命のアニメ化を求める声がある中、他人に自分と同等かそれ以上の出来を求めているため、今後アニメ化の許可を出さないと公言しているほど自分の作品に強いこだわりを持っています。
まりんのハニエルは刻央の目にも留まり「見事だ」と投稿され、さらに話題を呼び業界では必死でハニエルを探しています。
衣装は自作ではなくコスプレ衣装製作会社に頼んだオーダーだと思われ、さらにオーダーだとしてもクオリティが高すぎるので作った人物はイカれていると評価されています。
まとめ
雛人形の頭師になるため雛人形のことだけを考えずっと練習してきた五条でしたが、コスプレ衣装製作にかかわることで面相描きに良い変化が現れました。
コスプレは五条に様々な経験をくれました。
ハニエル衣装の生地探しではイメージ通りの生地が見つからず「自分は物を作れる人間じゃなかった」と挫折を経験しますが、諦めず自分の少ない経験から求めていたベストの生地を見つけることが出来ました。
また、原作を忠実に再現した衣装ではなく、白い帯にインスピレーションを受けコルセットを帯で作りました。
五条のハニエル衣装は誰が見てもクオリティが高く、コスプレ制作会社のイカれた人間が作った物だと評価されました。
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