『死神坊ちゃんと黒メイド』は、イノウエによる漫画作品。
触れたものすべてを死なせてしまう呪いをかけられた『坊ちゃん』と、坊ちゃんへ危ない距離感で逆セクハラするメイド『アリス』。
両想いなのに触れ合えないが、呪われているからこそ一緒にいられる楽しい日々。
そして呪いが解ければ、『貴族の長男』と『メイド』という身分違いで絶対に結ばれることのない切ない恋物語。
漫画は、2017年10月から2022年5月までウェブコミック配信サイト「サンデーうぇぶり」にて掲載され、全16巻で完結しています。
アニメ化は、2021年7月に1期、2023年7月に2期が放送されます。
今回は、坊ちゃんの“呪いがかけられた理由”“呪いは解けたのか”について重要回が何話かもまとめました。
ネタバレ注意!
坊ちゃんについて【死神坊ちゃんと黒メイド】
(©イノウエ/小学館・死神坊ちゃんと黒メイド製作委員会)
坊ちゃんについてまとめました。
坊ちゃんは貴族
坊ちゃんは貴族の長男です。
弟に『ウォルター』、妹に『ヴィオラ』という弟妹がいます。
ヴィオラはみんなから愛されてるかわいいキャラ!
父親は体調不良のため病院に入院中で作中には登場しません。
母親は一人娘で厳しく育てられたこともあり、子供たちへの態度も厳しいため怖がられていますが、内心は子供の幸せを願っている優しい母親です。
坊ちゃんは幼いころに亡くなった祖父に憧れ、祖父と同じようなシルクハットをかぶっています。
普段はくせ毛と目のクマを隠すために帽子をかぶっています。
おじいさまが使っていたシルクハットかと思ってましたが、別物なんですね。
坊ちゃんは将来の家長
坊ちゃんは長男のため家長を継ぐ存在です。
しかし、【触れたものすべてを死なせてしまう呪い】をかけられたため、母親から本邸ではなく別邸で暮らすように言われました。
本邸は人が多く危ないですからね!
でも、死神が住む屋敷って言われてるのかわいそうですね。
現在の年齢はわかっていませんが、5歳のころに呪いをかけられ呪いが解けないまま10数年たっています。
そしてついに母親から「春までに呪いが解けなければ勘当で、家長はウォルターに継がせる」と通告されました。
厳しいですが、10数年間呪われたままの長男を待ち続ける母親もつらいですね。
ちなみに、ウォルターは家長を継ぎたいとずっと思っており、普段は紳士的な態度でメイドたちからも人気です。
坊ちゃんにはあからさまなライバル心をむけ、次男コンプレックスなことから『次男』や『2』という言葉にダメージを受ける残念な面も見られますw
坊ちゃんの名前は?
アリスや執事のロブからは『坊ちゃん』。
ウォルターからは『あいつ』や『こいつ』、ヴィオラからは『お兄様』。
母親や友達からも名前が呼ばれる描写が無いことから坊ちゃんの名前は明かされていませんでした。
しかし、16巻218話で坊ちゃんの名前が『ヴィクター』であることが判明しました。
最終巻で名前が判明しました!
おじいさまの『ヴィクトル』からもらった名前なのでしょうか。
呪いにかかっている理由は?【死神坊ちゃんと黒メイド】
坊ちゃんがなぜ呪われているのかまとめました。
いつ呪いをかけられたのか?
坊ちゃんが5歳のころ、魔女によって【触れた生物の命を奪ってしまう呪い】をかけられました。
「誰からも愛されず、誰も愛さない、惨めな人生を送ってちょうだい」
“触れたもの”の感覚は呪いをかけた魔女の匙加減で作られています。
・服の上から身体に触れられても相手が死ぬ。
・背中で触ろうが靴で踏もうが相手が死ぬ。
・近づきすぎても身体に触れなければ平気。
・ある程度の厚さがあれが触れても平気。
・体液をかけても平気。
・相手の服を掴むことも平気。
・物や布を介して触れられるのも平気。
5歳って純粋に親など大人に甘えたい時期だろうに触れられないってつらすぎ!
触れたら死なせてしまうということを理解してる5歳坊ちゃんえらい!
呪いをかけた魔女は誰?
(©イノウエ/小学館・死神坊ちゃんと黒メイド製作委員会)
ある日友達になった魔女『カフ』と『ザイン』に「魔女については話せないが【魔女の集会(サバト)】に連れて行くことはできる」ということで、坊ちゃんとアリスは自分たちで魔女を探すため魔女の世界へ向かいます。
そして、魔女のボス『ダレス』から坊ちゃんに呪いをかけた魔女について情報を得ました。
「呪いをかけた魔女はもう亡くなっていて、呪いの解き方なんて私には皆目見当もつかない」
その魔女がすでに亡くなっていることが判明し、しかし魔女は誰なのかは教えてもらえませんでしたが、坊ちゃんは諦めませんでした。
ある日ダレスからある条件と引き換えに賄賂として解呪が得意な魔女を紹介されます。
その魔女の名は『アメリア』。
しかし、解呪を得意とするアメリアでさえ坊ちゃんの呪いを解くことはできませんでした。
アメリアは邪悪な呪いをかける魔女は1人しか知らないと名前を教えてくれました。
呪いをかけた魔女はダレスの双子の姉『シャーデー』。
シャーデーは魔法の天才で、魔女のボスだった父を負かし魔女のボスに君臨し恐怖で支配しみんなから恐れられていた魔女でした。
そんなすごい魔女から呪いをかけられ、そしてまさかの亡くなってるなんて…。
坊ちゃんの呪いは解けるのでしょうか!
魔女の集会(サバト)
3巻 第38話~第40話
アメリア
6巻 第77話~第82話
なぜ呪いがかけられたのか?
呪いがかけられた理由は坊ちゃんの祖父『ヴィクトル』が関係しています。
ヴィクトルは最愛の妻リズを事故で亡くし落ち込んでいるところにシャーデーが現れ、「死後でリズと一緒にいられる」という契約を寿命20年と引き換えに結びました。
シャーデーは迷うことなくすぐ契約のサインをしたヴィクトルに興味を持ち、よく屋敷を訪れヴィクトルと過ごしました。
共に過ごすうちヴィクトルのやさしさに触れ、シャーデーは初めて愛を知り素敵なものだと知ったのです。
ヴィクトルが亡くなるまで2人でこのまま過ごすと思っていたある日、アリスを連れたシャロンが屋敷にやってきました。
リズに似たシャロンはヴィクトルと過ごすことが増え、シャーデーはシャロンに嫉妬していきます。
そしてヴィクトルの寿命が訪れ、シャーデーはヴィクトルの傍らで「本当は好きになってほしかった」と泣いてヴィクトルの最期を見届けました。
その後、庭でシャロンの娘アリスのために四葉のクローバーを探している坊ちゃんに呪いをかけたのです。
シャーデーの初恋が憎しみへとゆがんでしまったんですね。
憎い相手シャロンとその娘アリスが幸せになることが許せなく、アリスの事を好きな坊ちゃんに八つ当たり的な感じで呪いをかけてしまったんですね。
坊ちゃんの呪いは解けた?【死神坊ちゃんと黒メイド】
坊ちゃんの呪いの解呪についてまとめました。
どうやって呪いを解くのか?
ある日、ニコとイチという魔術師が屋敷にやってきます。
ニコは【少年の姿で不老不死の呪い】をかけられており、10年前にシャーデーを倒した人物です。
シャーデーを殺しても呪いは解けず、やり直したい思いから時を操る魔女ザインを探していたのです。
そしてニコは「呪いをかけられる前に戻りシャーデーを倒そう」と持ち掛けてきました。
過去のシャーデーに会いに行くなんて急展開で驚きです!
呪いをかけられる前に倒せば呪いはかからない!
そして、最強の魔女を倒した人物が現れるとはびっくりです!
坊ちゃんはシャーデーを倒すのではなく、「友達になりたい」とニコたちに訴えます。
ニコはシャーデーと友達になるなんて無理だと否定しつつも面白いと坊ちゃんの想いを聞き入れてくれました。
呪いをかけられツライ思いをしてきた坊ちゃん。
最強の魔女と友達になりたいってすごいですね。
9巻 第123話~第124話
坊ちゃんとアリスの呼びかけはシャーデーに届くのか?
決戦当日、坊ちゃんたちはシャーデーと決着をつけるため過去へ向かいます。
坊ちゃんには戦う力はありませんが、必死にシャーデーに友達になりたい思いを訴え続けました。
シャーデーには人を信じるということにトラウマがあり「人を信じて裏切られるくらいなら恐れられていたほうがマシ」だと坊ちゃんの申し出を拒み続けます。
しかし、しつこくまっすぐに迫ってくる坊ちゃんが、ヴィクトルの誠実なところに似ていると感じ、友達として人を愛してみるのもいいかもしれないと考えが変わっていきました。
裏切られるくらいなら恐れられていたほうがマシっていうのは純粋だからこその想いな気がします。
坊ちゃんのまっすぐな思いに気持ちが変わったシャーデーでしたが、強大な魔力に自身の体は悲鳴をあげシャーデーは気絶し魔力は暴走してしまいました。
魔術学校の上級生の【人の中に入れる】能力でアリスはシャーデーの中に躊躇なく入ります。
シャーデーの中に入るなんてアリスは怖いもの知らずですね!
中に入ったアリスが見たものは「人が信じられない」「愛してほしい」「苦しい」「1人で居たくない」と助けを求め泣いているシャーデーでした。
アリスは呪いをかけられて荒れていたころの坊ちゃんとシャーデーはよく似ていると感じ、シャーデーが坊ちゃんに呪いをかけたのは「一緒に孤独になってくれる友達が欲しかったのではないか」と尋ねます。
シャーデーは「友達が欲しかった」と頷きますが、「裏切られるのが怖い」「友達になったことをいずれ後悔されるくらいなら今殺してほしい」と今までの恐怖の象徴のようなシャーデーからは想像できないほどです。
シャーデーはアリスに短剣を渡し、シャロンと坊ちゃんという大切な人を傷つけられたアリスには罰を与える権利があると、「私が死ねば呪いが解けるようにしてあげる」と言いました。
しかしアリスは「あなたを傷つけることがらより、あなたを愛している人を信じてあげてください」と伝えシャーデーを抱きしめます。
シャーデーは裏切られたくないという思いから凶暴な性格になっていたんですね。
今まで苦しめられ、心が読める相手に心から優しい言葉をかけることは難しいはずなのに坊ちゃんもアリスもすごい!
15巻 第203話~第209話
呪いは解けたのか?
シャーデーはアリスの言葉に救われ、人を信じみんなと生きる道を選びみんなに謝罪しました。
そしてシャーデーは坊ちゃんに「過去(いま)のあなたはまだ呪いにかかっていないけど、このまま幸せな貴族生活を送るか、呪いをかけて孤独な別邸暮らしを送るか」尋ねます。
坊ちゃんは呪いをかけられる人生を選びました。
「呪いがあったからみんなと出会えた。友人たちは僕の誇りだ。アリスとロブと暮らせたこと。毎日当たり前のように思っていたけど、今まで本当にかけがえのない日々だった」
そして、シャーデーは坊ちゃんの心の準備も待たず呪いを解きました。
坊ちゃんはシャーデーが魔法で準備した花を触り枯れないことを確かめた後、アリスと抱き合い2人は触れられることに泣いて喜びました。
吹っ切れた後のシャーデー素直に謝罪出来てすごいです!
坊ちゃんは呪いをかけられて大変だったはずなのに、呪いがある人生を選ぶってすごい。
それ以上に大切な人達に巡り合えたってこと!
呪いの解除はあっけなくすぐ終わった。w
呪いが解けて本当によかった!
15巻 第212話~第213話
坊ちゃんとアリスの恋の行方は?
アリスは坊ちゃんのこれからの幸せのため離れることに決め、坊ちゃんが寝ている間に手紙を置き屋敷を出ました。
坊ちゃんはアリスを追いかけ、アリスが置いていった『枯れた白いバラ(花ことばは“生涯を誓う”)』を差し出し、アリスと共に歩んでいく覚悟を伝えプロポーズします。
アリスは初め戸惑っていましたが坊ちゃんのプロポーズを泣いて受け入れました。
母親に家系を抜けアリスと結婚することを反対される覚悟で報告しましたが、「家長は前から継ぎたいと言っているウォルターに継がせる」「子供たちの幸せが私の幸せ」だとすんなり認めてくれました。
そして2人はみんなに祝福されながら結婚式を挙げます。
坊ちゃんは「アリスとロブと今後増える予定の家族と街で過ごし、音楽に関わる仕事をしたい」と未来に向けて歩き始めました。
2つの難関を乗り越え結ばれた2人。
今までの分も幸せになってほしいです!
16巻 第217話~第218話
まとめ
・シャーデーはヴィクトルに恋をし、シャロンへの嫉妬心から愛は憎しみへと変わった。
・坊ちゃんが5歳のころ、孤独を分かち合える友達が欲しいと苦しんでいたシャーデーによって【触れたものすべてを死なせてしまう呪い】をかけられた。
・シャーデーは魔女のボスで他人の心の声が聞こえることで他人を信じられなくなっていたが、心に中ではさみしい、友達が欲しいと思っていた。
・坊ちゃんとアリスのまっすぐな思いがシャーデーの哀しみを解き、呪いを解除してもらった。
・坊ちゃんとアリスは困難を乗り越え結婚した。
感想
坊ちゃんの呪いについてまとめました。
理不尽に呪いをかけられた坊ちゃんは、死神と人々から距離を取られてもおかしくなかったのに、大変な時期もあったけどいい人たちに巡り合えてよかった。
呪いをかけた相手と友達になりたいって思えることがすごい!
最後はシャーデー含めみんなハッピーエンドで終わってよかったです!
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